Wednesday, January 25, 2012

南極点の観光客

南極点へは観光客が来るのですが、今年はアムンゼンとスコットの南極点到達100周年と言うことでいつもに増して観光客が多く着ました。私が滞在中に30人ぐらい。

観光客は大きく分けて2種類で、たくさんのお金をかけて飛行機をチャーターして数時間、南極点にいるだけで、そのほかはチリ側の沿岸沿いの施設に短期滞在する人たちと、もう一つはいわゆる「アドベンチャー観光客」で単独、グループで、海岸からスキー、徒歩などで40日近くかけて南極点へ来る冒険家たちです(もちろんテント泊、厳しいキャンプ生活)。ちなみに後者も、とってもお金がかかります。

この冒険家たちもさまざまな人たちで、女性、男性、ヨーロッパ、アメリカ、南米、日本、などさまざまなバックグランドと、さまざまな理由でこのような冒険をしようと思いつくみたいで話していて面白い人が多いです。そして、驚くぐらいたくさんの人がエベレスト登頂経験者です。なぜ南極を自力で渡ろうと思ったかについては、「7年付き合った彼氏に振られて、すごいことをしようと思って、スキーで横断したら世界記録を出してしまった」というとんでもない女性や、英国軍人でスコット、アムンゼンがそれぞれとったルートに興味があり、両方とも自分の足で歩いてみたかった、など、いずれにしろ「何で?」と言う私の心の呟きばかり聞こえてきそうな、回答ばかりでした。世の中すごい人がいるもんです。この後、エベレストを何回登ったことがあるか、他はどの大陸の最高峰に言ったことがあるかなどに話題が移り、私はめまいがしてきました。

南極点を記す棒と国旗の後ろに見える二つのテントがアムンゼン・スコット基地のビジターセンター。その奥には観光客用の宿泊地に広がるテント集落と観光客の飛行機。

南極点で科学活動をするため国の政府を通してきている私たちと、非政府機構(NGO)を通してきている観光客と、お互いの活動を尊重すべく、住居地、活動地などが分けられています。そして許可なしではお互いの施設へ行き来できません。でも真ん中にあるビジターセンターで時々交流会が行われます。
ビジターセンター正面。

交流会が私の滞在中に行われたので行ってみました。テントの中の様子。

私たちの実験、アイスキューブの説明を観光客にする同僚たち(順番に、スヴェン、トーステン、デーブ)。


数週間シャワーを浴びてない人たちと、1週間シャワーを浴びてない私たちの、汚い同士の交流会。

この交流会で出会ったグループの一つは、アイスランドからで、日本車のトヨタを改造して南極横断をしようというグループでした。彼らの車に乗せてもらいました。

車はガソリンやディーゼルでなく、やはり、ジェットエンジンの燃料で動くようになっており、たくさんのギアに加えて、タイヤの気圧を替えるボタンなどがあります。
 このように、整備されている(基地が整備した)、硬い雪の上を走るときは普通のオフロード車に感じますが、この後、雪の深い整備されてないところを走ってもらい、まったく感じが変わります。ちなみにタイヤは3PSIまで気圧を落として、空回りして墓穴を掘らないように慎重に走ります。

ロールケージや、前後にあるケージは、クレバスに車が落ちた時よう。車がクレバスに落ちたときの死因は底に当たったときの衝撃ではなく、大体の場合が、狭くなっていくクレバスを落ちながら車がつぶされるための圧迫死。よって、車が圧迫されずに引っかかりさえすれば、人間だけを車から引き上げて、救出することが可能です。。。。って恐ろしい。

 反対側(観光客側)からアプローチした場合にみえる、「アムンゼン・スコット基地へようこそ!」の看板。


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