Saturday, December 31, 2011

旦那さん


義両親の家に行くと旦那の小さいころの写真が飾ってあって、それを見たり、写真の写真を撮ったりするのがいつも楽しみです。下の写真はニュージーランドの7年生で行われる統一試験で旦那(左)が数学で全国一位に、義兄(右)が経済学で全国一位になったので優秀兄弟として地元の新聞に載ったときの写真。旦那は当時まだ6年生だったそうですが数学は飛び級。それにしても優秀さもさることながら、二人ともかわいいのね。




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ニュージーランド


1週間半のクリスマス休暇を義家族と過ごしました。ニュージーランドのクリスマスは初夏。海で泳ぐにはちょっと私には冷たすぎました(旦那はいっぱい泳いでいた)が、入り江側で義兄弟とウォーターフットボールをしたり、すばらしいビーチ日和を満喫したり、日焼けしたりしました。

クリスマスディナーは義母がたくさんの料理をつくって、夫の弟の奥さんのご両親も招待して9人でにぎやかに!たくさんのクリスマスプレゼントが交換されました。

私は南極用にと、とてつもなく値段の高いMerinoの羊毛のジャケットを義両親と義兄にもらいました。あったかくてアメリカに帰っても冬中重宝しそう。そのほか義弟の奥さんの両親がチベットに行った時に買ったスカーフなどたくさんのギフトを頂きました。

Tongariro峠という有名なハイキングコースへも兄弟たち義弟のお嫁さんの友達たちと1泊で挑戦しました。9時間のハイキングコースですっごい絶景。標高の高い休火山をまたいでいきます。

まったく仕事をしなかったので頭は休まったけど体はまったく休まらない楽しいクリスマス休暇でした。今はニュージーランドの南島にあるクライストチャーチで一泊中。明日、南極大陸に向けて出発です。頭を休暇モードから仕事モードに切り替えなければ、、、。

Wednesday, December 14, 2011

100周年式典

ノルウェーの探検家ロアール・アムンゼンが人類で初めて南極点に到達してから満100年を今日迎えました。南極点ではノルウェーの首相を始めたくさんのVIPゲストとともに式典が開催されたようです。私の同僚たちもVIPツアーで忙しい週を送っているそうです。 式典の日本語ニュース

私もたくさんの行事に参加しました。まずは、月曜日にラジオに出演してでインタビューされました。
ラジオのインタビューを聞く(英語)  (Dec 12 2011 11amを選択)
火曜日の夜は地元で一般向けのイベントにボランティアとして参加してたくさんの人の質問に答えてきました。主に大人向けのイベントで、たくさんの写真の展示や実験の模型などを使ったわかりやすい説明、さらにはいろいろな「南極体験コーナー」がも置けられました。そして今朝はカリフォルニアの小学校にスカイプを通してインタビューされ、「これから南極点へ行くのにあたって一番怖いことは何ですか?」、「参加している実験の仮定は何ですか?」など幅広い質問に答えました。

国民のお金でやっている実験である以上、一般の人への説明は義務だと思うし、何よりもこういう一般の人向けのボランティアはとっても楽しくて、未来の科学者の種を植える貢献もできると思うと機会があるたびにいつも立候補して参加しています。ちなみに女性の物理学者は希少なので重宝されます。

Tuesday, December 6, 2011

同僚のブログ(英語)

南極に今シーズン(南半球の夏=現地入りシーズン)もうすでに行った、あるいは今行っている同僚たちのブログをまとめてみました。英語が読める人、写真だけでも見たい人にお勧め。

プログラマー・ジョンのブログ - アーティストでもある彼の取る写真は必見!
物理学者マイクのブログ - 説明いっぱい、写真いっぱい!科学のこともわかりやすく。
広報担当ローラルのブログ - 私と同じく今年始めて南極入り!

ちなみに南極点への旅の素敵な英語ブログはいっぱいあるので私は日本語で始めました!

Thursday, December 1, 2011

南極横断山脈

南極大陸の海岸沿いの基地マクマード から南極点の基地アムンゼン・スコット基地までの飛行空路で見えるのは南極横断山脈。全長3000km以上で地球上でもっとも長い山脈のひとつ。最高峰は4500m。先月アムンゼン・スコット基地へ行った同僚が飛行機から南極横断山脈のビデオを撮ったので紹介します。ビデオはここをクリック。
すごい綺麗!

Tuesday, November 29, 2011

チケット発券!

南極大陸でアメリカの基地を運営する人たちから航空券の発券を知らされました。一般の航空会社でニュージーランドは南島にあるクライストチャーチまで(去年地震があったところ)。そこから軍用機で南極へ行きます。南極大陸では海岸沿いの基地で一泊、翌日南極点のアムンゼン・スコット基地へ乗り継ぎの予定です(この空路についてはまたいずれ詳しく)。

クライストチャーチから南極へのフライトは1月はじめですが、せっかくニュージーランド経由なのでクリスマスは旦那と一緒に北島にある彼の実家へ。ニュージーランドのクリスマスは初夏。南極点は2月となれば平均気温がマイナス40度。ビーチに行く格好に平均-40度に耐える格好にと荷造りが大変にそうです。それに義家族へのクリスマスプレゼントもつめなきゃ、、、。

Saturday, November 26, 2011

アムンゼンとスコット

世界で一番南、地球の最南端にある南極点の基地へ行くことになりました。南極点にある基地はアムンゼン・スコット基地(ウィキペディア記事)といいます。この日記に載せた地図でいうとど真ん中、南極点として記されている基地です。

1911年、南極を目指して壮絶な競争を繰り広げたノルウェーの探検家アムンゼン(ウィキペディア記事)と英国海軍のスコット大佐(ウィキペディア記事)に由来します。二人ともその想像を絶する探検を日記に記録し、南極点に到達しますが、スコットと隊員は帰路、次の食料庫までわずか20kmのところで吹雪にあい、死去します。彼が最後に書いた日記には自分たちが英国に誇れる探検隊であろうとした事、その見返りに残されるものを英国ほどのすばらしい国が面倒見てくれると信じていると記されていて、出版当時イギリスでは大反響を呼びます。

さらに、スコットら3人の遺体の所持品にアムンゼンが南極点に残した手紙が発見されます。アムンゼンは人類初、南極点に到達し、競争に勝ちます。そこでスコットのいずれの到達を予想して「万が一自分たちのチームが帰路に命を落とした場合」、ノルウェー隊が南極点へ最初に到達したことを証明する手紙を彼に残します。

この南極点をめぐる競争についてはたくさんの本が出版されています。特に、二人が書いた日記を中心としたものが多く、たくさんの人が勝因、敗因、栄光など争論するし、学者たちも大好きな題材なので毎年新しい本が出版されます。南極点ジャンキーの人たちの中でも「どれが一番いい本」かの意見が分かれます。まず私が最初に読み始めた本はスコットの日記を元に編集がされている”Captain Scott's Last Expedition” (日本語訳は残念ながら見つかりません)。
ほかにも”The Last Place On Earth”や日本語訳がある「世界最悪の旅」などが有名です。ちなみにドイツ人の同僚が言うにはスコットの日記を読むと、「憂鬱になるか、英国女王のために人生を捧げたくなるかのどちらか」になるそうです。

先ほど1911年に競争が繰り広げられた、と書きましたがなんと今年は南極発到達100周年です。南極点へは一番暖かい時期に挑むので南半球の夏になります。なのでアムンゼンは12月、スコットは1月に南極点に到達してます。私はスコットの南極到達100周年当日に南極点にいる予定です!

Friday, November 25, 2011

日本政府に届出

南極行きが決まったと日本から来ている科学者に言ったら「確か政府に届出が必要だよ」と彼女が教えてくれました。え?日本政府?なんで?
普段からまったく日本とは関係のない暮らしをしているので(日本語もちょっとだし、 仕事でもアメリカの政府がお金を出している実験をアメリカの大学でしている)ちょっと意外でしたが、調べてみたら確かに届出が必要でした。


日本のパスポート保持者が南極へいく場合はすべての人がいかなる理由で行き場合も環境省への届出が必要です。

ちなみに、「こんなんアメリカ側から行くし、届け出ださなくても、ばれないんじゃない?」といい加減な性格がささやきましたが、同じ実験の日本人科学者が届出を出さずに行ってあとで始末書を書かなければいけなくなった、と教えてくれて心改めてしっかり届出を出すことにしました。日本語がいまいち得意でない私にとって、日本語の書類よりもっと怖いのは「始末書」という得体の知れないもの。

 届出は名前、日程、交通手段のほかに目的、活動場所などの書き込みが必要です。活動場所は「緯度および経度を持って記載」とかかれており、同僚(アメリカ人)に「かくかうしかじかで届出を日本側に出さなければいけないのだけどこの質問項目は南極点にいく場合はどうやって書くのだろうね?」とたずねたら「緯度は南緯90度、経度は当てはまらない、とか?」と言っていました。結局、南極点とだけ書いて基地名を記入しました。

南極点にある基地についてはまたいずれ。

Thursday, November 24, 2011

PQ

前回に続きてPQの話です。
南極に行くためにはかなりの身体テストをパスしなくてはいけません。そのうちのたくさんは血液検査です。まずはじめに信じられないぐらいの量の血を採血されました。うーん、コップ一杯分ぐらい?私は針が苦手なので採血中は反対側を見ていたのですが終わってからみたらすごい大量の血が採られていて、びっくりしました(見ただけで貧血になりそう)。帰ってきた血液テストの結果は何ページにも及んで、しっかりチェックしてもらっていずれにしろ良かったなという感じです。異常なしでした。

ちなみにすべての南極行きの研究者には補欠がいて、補欠の人もPQします。そして候補者がPQにパスしなかった場合は補欠でPQに通った人が南極行きになります。だからパスしなきゃ!と緊張していました。

他には心電図(これはHeartMurmurが時々ある私にはどきどきでした。でも結果はOK)、結核の検査、など、さらにこれらのお医者さんでのテストに加えて、歯医者さんでの検査もあります。歯医者さんではX線、親知らず、虫歯、歯茎の病気などの項目があって、これも歯が弱い私は祈るような気持ちでチェックされに行きました。

何ページもの検査結果とX線をUSAP(米国局地プログラム)にFAXしたり郵送したりして、ようやく、10月末に待ちに待った「あなたはPQに合格しました」メールが来ました。そして!最後に本当に行くことになった人だけに来るUSAP専用の荷物タグ。
これをつけている人を飛行機で見かけたらその人は南極か北極へ行く途中です!

Monday, November 21, 2011

南極点

私が参加している実験は南極点の氷の下にあります。南極点の氷の表面(地上)からドリルで2,3km(!)ほど真下に掘り下げたところにセンサーがいっぱい埋めてあります。南極へは誰もがいけるわけではないので今年の春、もしかしたら私も行けるかも知れないと知ったときには興奮と同時に、まだ決まったわけではないから今から期待してはいけない、という冷静な気持ちが入り混じりました。
まずはじめのハードルは本当に最終選考に選ばれること。これは私自身がどうあがいてもどうにもならないのでただただ運任せでした。そのあとの最大の難関はPQ(physical qualification、身体検査)です。実験はアメリカのUSAP(United States Arctic Program、米国極地機関)を通して現地へ向かいます。南極へ行くにはたくさんの身体測定値が許容範囲内でないといけませんが、南極点はさらに隔離されていること、気象状況がさらに厳しくなること、標高の高さからチェックする項目がうんと増えます。

突然ですが南極の地図って見たことありますか?大体世界地図の底辺にべろんと書かれることが多いから想像しぬくいですよね?地球の真下から見たら、上の地図みたいになります。日本語のいい地図がなかったのですが、なぜかミサワホームのウェブサイトに結構いいのがあったので拝借。元のページはこちら。地図の真ん中が南極点、そこからどの方向に向かっても(上下左右)北です。日本で有名な昭和基地はこの地図で言うと南極点から上に向かった海岸沿いです。南極でも海岸沿いと南極点ではだいぶ気象状況が違います。後断面図を見れば標高もかなり違うことがわかります。なので南極に行くといっても大陸のどこに行くかによってかなりの差が出てきます。
話が長くなったのでPQの続きは次のポストへ。

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Saturday, November 5, 2011

物理と愛

物理は素粒子物理学を研究しています。愛する人は最近結婚した旦那さんです。頭(と心)は愛する人たちと場所が半分、物理学がもう半分で埋まっています。長いこと住んだ大大好きなカリフォルニアを離れてアメリカ中西部で毎日研究に奮闘中。優しい旦那さんはニュージーランド出身です。
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