Saturday, November 26, 2011

アムンゼンとスコット

世界で一番南、地球の最南端にある南極点の基地へ行くことになりました。南極点にある基地はアムンゼン・スコット基地(ウィキペディア記事)といいます。この日記に載せた地図でいうとど真ん中、南極点として記されている基地です。

1911年、南極を目指して壮絶な競争を繰り広げたノルウェーの探検家アムンゼン(ウィキペディア記事)と英国海軍のスコット大佐(ウィキペディア記事)に由来します。二人ともその想像を絶する探検を日記に記録し、南極点に到達しますが、スコットと隊員は帰路、次の食料庫までわずか20kmのところで吹雪にあい、死去します。彼が最後に書いた日記には自分たちが英国に誇れる探検隊であろうとした事、その見返りに残されるものを英国ほどのすばらしい国が面倒見てくれると信じていると記されていて、出版当時イギリスでは大反響を呼びます。

さらに、スコットら3人の遺体の所持品にアムンゼンが南極点に残した手紙が発見されます。アムンゼンは人類初、南極点に到達し、競争に勝ちます。そこでスコットのいずれの到達を予想して「万が一自分たちのチームが帰路に命を落とした場合」、ノルウェー隊が南極点へ最初に到達したことを証明する手紙を彼に残します。

この南極点をめぐる競争についてはたくさんの本が出版されています。特に、二人が書いた日記を中心としたものが多く、たくさんの人が勝因、敗因、栄光など争論するし、学者たちも大好きな題材なので毎年新しい本が出版されます。南極点ジャンキーの人たちの中でも「どれが一番いい本」かの意見が分かれます。まず私が最初に読み始めた本はスコットの日記を元に編集がされている”Captain Scott's Last Expedition” (日本語訳は残念ながら見つかりません)。
ほかにも”The Last Place On Earth”や日本語訳がある「世界最悪の旅」などが有名です。ちなみにドイツ人の同僚が言うにはスコットの日記を読むと、「憂鬱になるか、英国女王のために人生を捧げたくなるかのどちらか」になるそうです。

先ほど1911年に競争が繰り広げられた、と書きましたがなんと今年は南極発到達100周年です。南極点へは一番暖かい時期に挑むので南半球の夏になります。なのでアムンゼンは12月、スコットは1月に南極点に到達してます。私はスコットの南極到達100周年当日に南極点にいる予定です!

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